2009年4月1日水曜日

SoundとVisual


もう8年程前になりますが、まだ映画学校に通っていた頃に特別課題にて好きな映画人を1日講師に迎えるという講義があり、普段は学業にまったくといっていい程身の入っていなかった僕がその時ばかりはどうしても呼びたいと手を上げ自ら連絡をとって来てもらった故・黒木和雄監督。
ATG製作による「とべない沈黙」「竜馬暗殺」といった熱を帯びた名作や、およそPRとは呼べないような実験的手法で撮られたれた企業PR映画なんかを次々と撮影した反骨の魂を持つ監督でした。(そのせいで勤めていた岩波映画をクビになったとか。。)

その黒木監督が2時間の講義の中で言っていた事はたった一つ。
曰く、「映像はSoundとVisualだ。Soundがあって、Visualがあるんだ。」

何を質問しても返ってくるのはただそれだけで、若かった当時の僕はもっと色々な話が聴けると思っていたのでもの足りなく感じていましたが、今になって考えるとたった2時間の限られた時間の中で映像を志す若い者に対して何かを伝え残そうと考えた時に、その一つの事だけでも何とか伝えようとしてくれたんだろうなと思い至る様にになりました。

VJを続けている今、その言葉はいつも胸に残っています。
そして何より僕が感謝しているのは、その言葉の奥に秘められた彼の映像に対する熱意や想いを受け取れた事です。


4月12日で黒木監督がなくなってからはや3回忌、久し振りに彼の映画でも観返してみようと思います。

R.I.P.


(Tajif)









"竜馬暗殺"/DVD
黒木和雄

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