「私が映画だ!」と公言したフェデリコ・フェリーニ1979年の監督作「オーケストラ・リハーサル」。
ある寺院の礼拝堂を舞台に、演奏のために集まる音楽家たちのリハーサル風景を撮影しにTVスタッフがやってきて演奏家達にインタビューをするが、皆あくが強く各パートの自己主張がぶつかりあう。
そこに指揮者が現れ演奏が始まるが、ラジオでスポーツ番組を聞く者や上着を脱いで半裸で演奏する者、椅子の位置で喧嘩を始める者、ピアノの下でSEXを始める者・・・と纏まりがつかない。
指揮者は激怒し演奏者達をどなり始めるが、若い演奏家達はそれに反抗し巨大なメトロノームを持ち出し指揮者の不要を声高に叫び出す。次第に混乱は激しくなり、収集がつかない状態になった礼拝堂に突然地響きが鳴り始め・・・
フェリーニとのタッグで数々の映画音楽を作り上げた作曲家ニノ・ロータの遺作となった作品です。有名な「ゴッド・ファーザー愛のテーマ」も彼の手によるものです。
映画撮影の現場をオーケストラ・リハーサルに置き換えて描き、混乱の中純粋に演奏を続けようとするハープ奏者にニノ・ロータを投影したと言われています。
その他の楽器演奏者達のキャラクター設定でも、美人ピアニストはピアノが玉座についた王様のような存在だと言い、バイオリニスト達はバイオリンがオーケストラの主役であると主張、リズム隊はクールで、クラリネット奏者はクラリネットのおかげでうらぶれた生活を脱出して自分の人生を開拓することができたと言っていたりetc...と、色んな楽器毎で性格が別れて描かれているのが実に面白いです。
最後、皆がオーケストラを作り上げるという情熱を取り戻し演奏に向かう場面は感動を憶えます。
ニノ・ロータの手がけた音楽も良く、音楽好きも楽しめる作品ですので時間のある時にでもご覧になってみて下さい。
(Tajif)
"オーケストラ・リハーサル"/DVD
Federico Fellini
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